トラックメイキング備忘録

トラックメイキングについて

そもそもヒップホップって何? ③

ニュー・スクール・ラップは、80年代末から90年代初頭まで流行した。

ニュー・スクールのラッパーには、デ・ラ・ソウル、ア・トライブ・コールド・クエスト、リーダーズ・オブ・ザ・ニュースクールらがいた。

ファッションは、シルバーが流行した。

またサイズの大きな衣服や、バギースタイルのパンツ(大きいサイズのダブついたズボン)を選び、腰履きで着るアーティストも見られた。大きい服を着るようになったのは、大きめのサイズの服を子供に提供しておけば、成長しても買い換える必要がないことなどが原因とされている。

 

デ・ラ・ソウル

 

ア・トライブ・コールド・クエス

 

リーダーズ・オブ・ザ・ニュースクール

 

 

別なカテゴライズとして、アーティストの出身地などから、ヒップホップ発祥の地であるニューヨークなどのアメリ東海岸におけるイースト・コースト・サウンド、ロサンゼルスなどのアメリカ西海岸におけるウエスト・コースト・サウンド(ウエスト・サイド)といった、地域による分け方がある。

ニューヨークのラップは、ジャズトラックを使用した楽曲もあり、対して初期のウエスト・コースト・サウンドは、ドクター・ドレースヌープ・ドッグらを中心としたGファンクと呼ばれる、Pファンクなどをサンプリングし、シンセサイザーなどの電子音を取り入れたトラックに、ギャングスタ・ラップをのせた。

近年はサウス(南部)やミッドウエスト(中西部)と呼ばれるローカルサウンドも登場している。サウスのトラックは、バウンスビートが特徴である。ヒップホップのポピュラー化により、東海岸ギャングスタ・ラップをするものが現れた。

 

アメリ東海岸イースト・コースト・サウンド

大西洋に面する州の中でもメリーランド州以北、つまりニューイングランドの6州(メイン州ニューハンプシャー州バーモント州マサチューセッツ州ロードアイランド州コネチカット州)、中部大西洋岸の5州(ニューヨーク州ニュージャージー州ペンシルベニア州デラウェア州メリーランド州)、およびコロンビア特別区を指す。

ジャズトラックを使用した楽曲もある。

 

 

アメリカ西海岸:ウエスト・コースト・サウンド

狭義にはカリフォルニア州オレゴン州、およびワシントン州の3州を指す。

ドクター・ドレースヌープ・ドッグらを中心としたGファンクと呼ばれる、Pファンクなどをサンプリングし、シンセサイザーなどの電子音を取り入れたトラックに、ギャングスタ・ラップをのせた。

 

Dr. Dre - Still D.R.E. ft. Snoop Dogg

 

1990年代頃から東海岸を代表するディディ(パフ・ダディ)、ノトーリアス・B.I.G.擁するバッド・ボーイ・エンターテインメント(Bad Boy Entertainment)と、

西海岸を代表するドクター・ドレースヌープ・ドッグ、2パック(出身はイースト・コーストではあるが、最盛期の活動場所はウエスト)らが所属するデス・ロウ・レーベルとの対立が象徴的であるように、両海岸のアーティストたちはお互いを威嚇、中傷し合った。

それらの内容はラップの歌詞にも現れ、ギャングを巻き込んだ暴行、襲撃、発砲事件などに発展した。この東西抗争は、2パック、ノトーリアス・B.I.G.という両海岸を代表する有名ラッパーを、ともに銃撃事件で失う悲惨な結末を招いた。抗争はその後、個人間のビーフ(中傷合戦)を除いて、沈静化している。

 

アメリ東海岸イースト・コースト・サウンド

パフ・ダディ

 

ノトーリアス・B.I.G.

 

 

アメリカ西海岸:ウエスト・コースト・サウンド

2パック